定価: 1,650円 (本体1,500円+税)
発売日:2008年11月10日 判型:四六判 商品形態:単行本 ページ数:248 ISBN:9784047034372
密教コードによって国のかたちをつくりあげた空海。その企ての全貌を探る。
平安時代に天皇の護持から国家鎮護へと、密教儀礼を国家規模に推し進めた空海。国の中枢に注入したこれらの密教コードによって、宮中祭祀と国家統治のシステムをつくりあげた空海の、壮大な企てを探る。
〈目次〉
はしがき
4 性差から自由だった女帝
5 皇位継承と「カリスマ原理」
6 霊肉二元の感覚、身心一元の思考
《間奏1》 出家宣言を発するまでの空海
7 幻惑の詩人、豪胆の冒険家、空海
8 「御修法」という治療儀礼
9 天皇の生命危機をどう回避してきたか
10 神仏協同の天皇・国家鎮護システムの危機
《変奏1》 宮中祭祀と「伝統」──岩井克己氏の『天皇家の
宿題』を読む
《変奏2》 象徴天皇の試練──福田和也氏の『美智子皇后と雅子妃』を読む
11 「統治」のための詩文の道
13 空海の創見──「即身成仏」「加持」「入我我入」
14 「手」と「声」──即身成仏のための両輪
15 国家との「入我我入」
16 真言院の座標
20 三百五十年の「平安」時代と「国のかたち」
あとがき